2009年02月03日

静岡県三島市本町 増田屋食料品店

あたしは本当にこのお店が好きなのね。
でも、今年の3月末で閉店することになったそうな。

このお店で売られている「豆」は丹波笹山の豆。
「豆腐を作ろう」と言って、ここの大豆を買って豆腐を作った。
そのまえに、豆を茹でたんだが、それをその場で食べてみたら
「うまい!!!」
翌週、スーパーあたりで買ってきた豆があったので、
同じように茹でて食べたんだが、全然味が違う。

「素材」というものが大切なんだよとこのお店は
僕らに教えてくれた。

年末だっただろうかな。
テレビ朝日系の「食彩の王国」で「丹波笹山の黒豆」の
説明をしていた。
増田屋さんで買ってきた黒豆も丹波笹山の物だった。
TVの中で黒豆農家のおばちゃんが、
「おせちの黒豆作って、その豆が大きくふっくらしていたら、
 そのお豆は、ウチの畑のお豆です。」と言っていた。

3日がかりで黒豆を作った。
出来上がった黒豆は、大きくふっくらして、おいしかった。
「あ〜〜この増田屋で買った丹波笹山の豆は
 このおばちゃんの豆だよ絶対に!!。」と思うと
とっても嬉しかった。

「ネットジャム劇団」と呼ばれる集合体で
初めて凧揚げ大会をやった翌週だったように
記憶して居るんだけれど、
たしか1998年の2月だったと思うんだが
あたしが通っていた割烹料理屋で「なのり」が話題になった。
これは伊豆の特産品で、
岩に付着した海苔類をかきとってよく洗って干したものなのね。
どういうものかわからないというので、
増田屋さんに買い求めに行ったんだが、店の中にない。
「あのぉ〜〜『なのり』は無いですか?」と訪ねると、
たぶん若旦那のおばあさんだろうと思うんだけれど、
「今年は自信を持ってお売りできる物がありませんでした。
 申し訳ありません。今年はありません。」と
きっぱりと言われた。
「良い物が無いから売らない。」と言ってくれた。

売れないではなく「売らない」なのね。
これは偉大なことなんだよね。

そうそうっ
若旦那の世界漫遊の話も聞いたねぇ。
アフリカにも「納豆」があること。
家を継ぐのがいやで海外に逃げたとき、居候したのが
イラクだったかイランの友人のところで、
(このあたり、国名がさだかではないんだが)
その相棒が『ハウス食品』の人間で、
その異国で「豆腐の味噌汁のみてぇなぁ」ということで、
豆腐を作った話をしてくれた。
のちにこの経験を元に、ハウス食品の相棒と
「ハウス本豆腐」を作り出したことを教えてくれた。

お店が閉じてから、また若旦那は世界漫遊に出るのね。

それから、
あたしのお勤め先には、自衛隊を定年退官した人たちが
何人か居るんだけれど、
御殿場の自衛隊基地で、食料調達関係の仕事をした人は
必ず「増田屋」さんのお世話になっているそうな。
「増田屋」さんの佃煮は、自衛隊基地への納入品なのね。
「何度も増田屋さんには行ったよぉ。
 若旦那も知っているし、お父ちゃんも知っているよ。」と
言っていたね。

なくなっちゃうのは悲しい。

でも「増田屋」という文化を守れなかったのは、
本当においしいものを知って伝えるということを
怠ったのは、僕らなんだろうね。

posted by 宇之助 at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | このおみせが好きぃ
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